我々の認識は時として 像に対する観察不足と情報操作によって歪められる
何が見えているのかではなく 何を見ているのかを考えるべきである
カトリック教会では、『ペトロ行伝』の記述などから、聖ペトロ(ペテロ)はローマへ来た際にネロ皇帝からの迫害を受け、十字架による磔刑(たっけい。=はりつけ)に処せられたが、その際に逆さまに(頭が下の状態で)十字架に掛けられたとしている。自分がイエスと同じ状態(頭が上の状態)で処刑されるに値しないとして、みずからこの方法を望んだとされる。
悪魔崇拝とのかかわり
聖ペトロ十字は、しばしば悪魔崇拝とも関連づけられる。
アレイスター・クロウリーは、聖ペトロ十字を神の恩寵への反駁・主の恩寵からの離脱などの象徴として捉えた。結果的にこの象徴的意味はヘヴィメタル、特にデスメタル・ブラックメタルなどの音楽シーンで高い人気を得るに至った。特に Dandiz・Deicide・Gorgoroth などのバンドメンバーは、大きな逆十字のペンダントを身に付けている。
第264代ローマ教皇、ヨハネ・パウロ2世がイスラエルへ行幸したおり、彼の背後に聖ペトロ十字が写った写真がインターネット上に広く出回ったことがあったが、これはカトリック教会が悪魔崇拝と関係性があるとした煽動的なプロパガンダによるものだった。しかし、この写真は聖ペトロがローマで殉教したことに関係したものであり、また伝統的なカトリック教会の見地からすれば、ローマ教皇は聖ペトロの後継者であり、教皇権を示す象徴として用いられていることには筋が通っている。